地元の歴史本が出た!

『佐世保・平戸・松浦・北松の歴史』出版!!

      郷土出版社(’10.2.27発行)
      郷土出版社(’10.2.27発行)

 

100319(金)晴れ 昨年暮れあたりから、このあたり、佐世保市の数少ない殆どの書店には、レジの所にひときわ大きな本の出版広告が打たれていた。それは『佐世保・平戸・松浦・北松の歴史』という本だった。コピーは「ふるさとの一万数千年が一挙にわかる!」「もう二度と手に入らない限定1500部!」…中々どうして。

 

地元の年配の方々をきっとターゲットにしたのだろう。ちょっと、自分の故郷のことを知っておきたいと思う人には大判で図版も多く、一冊手元置きたくなる本だ。この辺り、地域の歴史を広範囲に纏めた本はそう多くなく、うまい企画だと思う。値段は約一万円(9.975円)それも限定にし、プレミアム感を出し、事前注文受付を目立つように広告する。やるじゃん。

 

何処が作っているのか?と調べると、長野県にある『郷土出版社』というところだ。きっとこの出版社は全国で同じようなノウハウでその地方の歴史本を作っているのだろうなと察した。(ネットで調べた。そのとおり。しかも歴史ある所だった。)出版界は電子出版がリアルな話題となり未曾有の不況らしいが、ケータイ・PC世代ではない、そして経済に余裕にある年配層に絞って、少し高めの豪華本を提出する…。

 

うまいところを狙っている。何故なら、我が家でも買ったからでアル。これだって町に図書館があれば、当然揃えるだろうから買わないのだが、ないので買った。

 

実際手に取って見ると「一万円はないんじゃないの?」と思う箇所もあるが、古代から現在までそこそこ、そつなく編集してある。驚いたのは、巻頭のページ真っ先に、地元吉井町が全国に誇る古代の遺跡!、『福井洞窟』が、堂々カラーで紹介されていること!「おおおう、スゴイではないか!」

 

『福井洞窟』と言えば、昨年夏、私も縁で全面的に裏方関与した『吉井エコツーリズムふるさとの会』、町始まって以来、初めて町外の方向けの企画、遺跡と古代を体験するモニターツアー『来てみんねやってみんね原始の谷ツアー』で、対象とした場所である。私はそのポスターを作り、宣伝用の幟をデザインしツアーのお客さんの食事のメニューを考案し、新聞社に取材依頼をし~で、結構やったのだ。

 

3万年以上前の石器が、マジ出土している。こういう場所は日本ではこのあたりだけである。私たちが中学生の頃は社会の教科書、本文にちゃんと当地名が出ていた。近年遺跡捏造事件とかあってこの世界の信頼性がガタ落ちだが、ここは堂々本物。誇って良い場所なのだ。

 

悲しいのは、当時の貴重な出土品の殆どを、貧乏町で地元に所蔵設備をもってなかったせいで、発掘した大学の所蔵になってしまっていることである。本来ならば地元に発掘資料館、古代博物館とかがあって、誰もが判りやすく古代に触れられる施設があってしかるべき。お金持ちの自治体だったらそうなっていただろう。

 

ほんの申し訳程度の発掘石器が、地元の直売所のような場所の片隅に、ものすごく見栄え悪く置いてある。殆ど放置状態。去年ポスターを作る際、資料にと思って画像を撮りに行ったっのだが、悲しいくらいセンスないディスプレイだった。

 

これは単に貧乏自治体というより、意識の問題では?とも思ったくらいだ。「結局この展示の扱いがこの町に於ける遺跡の価値、意識の現れなのだ…」と。

 

ここで私が「これでいいのか!皆さん!」と声高々に出て行って町の意識を云々かんぬん…とは、ならない(笑)。私はそういう露出が好きじゃないのだ。そういうのにはもっと別の相応しい人が居るものだ。 私はせめてこうやって自分のHPに自己責任で紹介する程度が好き。

 

さて、この『福井洞窟』そして、その近くの『直谷岩陰遺跡』、去年私たちが町始まって以来初めてやった遺跡イベントが功を奏したのか、今年の夏、佐世保市からのバックアップで大きなイベントへと変化しそうなのである。私は今年、地元ハシグチの肝入りで多忙。エコーツー方面はノータッチを表明している。一体、夏どうなることやら…。本の話から外れマシタ。

巻頭に堂々登場!『福井洞窟』。また、旧炭坑の歴史や貴重な写真等も紹介されている。
巻頭に堂々登場!『福井洞窟』。また、旧炭坑の歴史や貴重な写真等も紹介されている。
コメント: 2
  • #2

    planetary-n (水曜日, 24 3月 2010 00:00)

    amberさん、ありがとう!お疲れさまです。
    この本は新聞折り込みチラシもあって、それに載っていた取扱店の地元薬局から購入しました。何処かで買うのだったら地元を少しでも大事にしようか、なんて思ってやりました。

    炭坑写真沢山載ってるいわけではないよ〜。それから、炭坑跡は探せばないことはないと思う。見つかるのはその情熱に比例しそうな気がします。

    そう云えば、例の、大分の焼酎『二階堂』のCMに少し前に出て来た、福岡粕谷郡志免炭坑の建造物、あれは良かったね〜。風景は勿論、CMの全てのセンスがいい。

    あのシリーズはCMには希有な、印象深さがありますね。映像、音楽、コピー、ナレーション、どれを取っても、もはや作品の域にありそうデス。ネットで調べたらファン倶楽部あることが判り、私も思わず参加しまシタ。このCMシリーズについては一度ちゃんと書いてみたいところデス。

  • #1

    amber (火曜日, 23 3月 2010 23:08)

    資金が限られている上に、テーマがニッチ過ぎて何部売れるか予測できないから、この部数、価格になったんだろうね。
    期せずして、自分のブログと対極的な内容になったけど、ある意味、日本ではこれが正しい本の売り方という気がする。
    自分も「投機目的」で二部ぐらい買っとこうかな(笑)
    Amazonで検索かけてみたけど流石に扱ってなかった。
    こちらの大書店の「郷土の本」コーナーで探してみる。

    しかし、マジな話、旧炭坑の写真は見てみたい。
    炭坑があったなんて信じられないぐらい、跡方もなくなってるからね。
    嫁さんも炭住「跡」があったことぐらいしか知らない。