11番札所[藤井寺] ~ 20番札所[焼山寺]

聖地巡礼 第2日目 ~ 四国遍路覚書6

100824日(火)晴れ 遍路第2日目。 

そもそも「四国遍路」とは、何時頃、どのように始まったのか?ものの本によると、その歴史は古く、1200年以上にも渡る長い歴史の中で現代に伝わってるようだ。日本古来からあった、大自然の中に身を置き、それらを巡り修行するという「邊地(へち)の信仰」思想や「山岳修行」をもとに、行者が四国に渡ったことが源とされている。

 

では、弘法大師は四国霊場にどのように関わってくるのか? 留学僧として唐に渡り密教を学び帰国後、四国の邊地で長い修行をし、42才の時八十八ヶ所霊場を開いたとされている。霊場の場所は四国全土に広がっていて、それぞれステージが違う。

 

第01番〜23番までの徳島県の霊場は『発心の道場』

第24番〜39番までの高知県の霊場は『修行の道場』

第40番〜65番までの愛媛県の霊場は『菩提の道場』

第66番〜88番までの香川県の霊場は『涅槃の道場』

 

88という数は、釈迦が説いたとされる『見惑八十八使』というのがあるそうだが、それから88の煩悩の事から来ている様子。つまりそれらを鎮める修行という意味らしい。この4つのステージで四国全土を時計廻りに約1400kmひと回り、よく出来たというか、広大な修行の場なのである。

 

遍路は巡礼とほぼ同じ意味に考えていいと思うが、四国遍路がサウジアラビアのメッカや、スペイン、サンチャゴの巡礼と大きく違う特徴は、他の巡礼が一歩通行であるのに対し、四国のそれは円環型であることだ。始まりと終わりが同じという、この構造はウロボノス的であり大変興味深い。

 

 

 

遍路2日目は、何と言っても、第12番焼山寺(しょうざんじ)と、この日最後の第20番鶴林寺(かくりんじ)が印象深かった。どちらも山の高い場所にある。自分が小さい時に見た夢のせいか、高い山の聖地というものに何故か妙に反応するようだった。中でも、第12番焼山寺は、車で行ってもはんぱでなく遠く険しい道乗りであった。ここをを歩く人はもう気が遠くなる程の大変さだ。早朝出発したその日の内に辿りつくのだろうか?と心配する程だ。

 

ドライブマップには、11番藤井寺から2つのルートが提示されている。一つは遠回りだが比較的行きやすい道、もう一つは近いが殆ど一車線のつづら折りの走りにくい峠道。名ドライバーR氏は迷わず後者を選択。アップダウンの急カーブの狭い道をブイブイ飛ばして行く。自分の田舎でもこんな道はあまりない。 険しい四国の、しかし自然林が多い美しい風景がそこにはあった。

 

途中道の駅で休憩しならも約2時間かかって第12番焼山寺に着く。ここは、第66番雲辺寺についで四国霊場で2番目に高い札所だそう。玉砂利の手入れが行き届いた参道からは、四国山脈の遥かなる峰々が眼下に広がる。その広大な四国の山々の風景を見るだけで、私は感動していた。

 

その風景、九州にはあまりないその険しい鋭角な山々の襞を、ただ見るだけで、何故感動するのだろう?と何処かで思いながらも、熱いものがこみ上げて来るのを押えることが出来なかった。(押えなくてもいいとは思うけれど)少年の頃見た夢と何か関係してるのかもしれない。してないのかもしれない。今となっては判らないけれど…。判ってるのは、そんな一刻が、風景だけ起因する訳でもなく、今回の遍路全体で時折波のように私に押し寄せて来て、そのつど、私は放心したような感動に包まれていたという事実だ。

 

 

今日最後となる第20番札所、鶴林寺も、徳島県の勝浦郡勝浦町にある標高550mの山岳霊場である。ところで、四国霊場のお参り、そのお寺の納経所で納経してもらうのは夕方5時までだ。なので、5時に近い時間に着いたら、お参りの前に納経所に納経してもらい、その後お参りするというのがいい。鶴林寺には5時までに着くか着かないかの瀬戸際になり、その、もの凄い山道を車ブイブイ言わせて走った。私たちの後にもバイクの若き遍路がガンガン着いて来ていた。

 

時間に間に合いそうにないので、入り口の山門に着いたら、まず、私が納経所目指して猛然とダッシュ! 納経所が開いていれば、事情を話し、後にまだこれからここに来ようとしてる人がいること、なのでもう少し閉めるのを待って欲しいと御頼みするつもりだ。しかし、無情にも既に閉っていた。諦めて戻ろうとしたところへ人の気配。納経所から出て来る関係者の方がいた。その方にお頼みし、何とか願いは通じた。一日の最後になってこんな山奥のお寺でダッシュするとは思わなかったが、予定通り一日終えられてほっとした。あたりはもう薄暗くなりかけていた。

 

参考:四国遍路マップ

 

(以下画像クリックで拡大、コメントあり。スライドショーも選択可)

 

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コメント: 1
  • #1

    Kristopher (日曜日, 22 7月 2012 04:00)

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