伊豆大島初上陸!

伊豆大島冬旅録 2010 その2

 

 

 

 

伊豆大島地図1

伊豆大島地図2

 

伊豆大島について、皆さんは、何をどれくらい知っておられるだろうか? 自分は恥ずかしながら三原山がある事くらいしか正直知らなかった。そもそも何処にあるか、場所さえ怪しいものだった。

伊豆大島、ほぼ日本の真ん中にある伊豆半島の東側、東京より南西へ約120km、太平洋に浮かぶ伊豆諸島最大の島。東京都である。全周囲52km 、東西9km、南北15km 人口約9000人。御神火(ごじんか)様として島民に親しまれてる、三原山(標高758m)が島のほぼ中央に在る。1986年の大噴火は未だ記憶に新しく、その全島民避難の様子はNHKプロジェクトXでも紹介された。

全島面積約91平方kmの7割は原生林で覆われ、約300万本の大島椿と、ソメイヨシノ等の日本の桜の源種である大島桜等が自生している。島の97%が国立公園。自然公園法で開発が規制。生態系が十分保護されているので、原初の自然が息づく島である。『あんこ椿は恋の花』や、昭和初期の名曲『波浮の港』、あるいは、川端康成の名作『伊豆の踊り子』由来の島としても有名。また、平成のゴジラ映画で三原山が登場している。

伊豆大島に行くことになってから調べたことは以上のようなものだった。何せ九州の西果てとは、日頃縁遠い場所だ。行って見なくては何も判らない。島で特別何かをしたいという訳でもなく、 ここに住むRさんの案内で、Rさんおすすめの島を廻ることが出来たらそれで良く、あとは特に何も考えてなかった。そう、しばらく全く日常と違う場所に自分の身を置けるだけで幸せというものだ。それも全く知らない場所で。機会がない限りは、まず一生、伊豆大島とかには行かないかもしれない。訪れた機会に感謝!そう考えていた。

 

               

            伊豆大島初上陸!

 

 

2010年12月21日(火)曇り、 午前11時前、東京からのジェット船が速度を緩めて、伊豆大島西側、島最大の町、元町港の桟橋に横付けになる。とうとう伊豆大島に来てしまった。船のタラップを渡ると、凄く目立つ所にRさんがいた。なのですぐ判った。夏の四国遍路から4ヶ月振り。その後も、そして、こちらに来る途中もメールやり取りしていたので、久し振りと言う気はあまりしない。でもちょっと照れくさい。

 

「ご無沙汰してます!」「遍路はどうもお世話になりました!、またお世話になります!」握手をしてRさんの愛車に向かう。Rさんが何を自分に喋ったか憶えてない。元町港の向こうには、三原山の外輪山が雄大に見える。「おおぅ〜、ついに来たぁ〜!! 」自分はワケノワカラナイ奇声をあげていたと思う。伊豆大島に来た新鮮さで一杯だったのだ。

Rさんの4WDで、最初に向かったのは、元町港から山手へ車で数分登ったところ。そこは辺り一帯、溶岩流の後が生々しい場所だった。ここは、1986年の大噴火で新しく出来た山斜面の火口から、溶岩が流れ出た後を整備した場所らしい。元町港のすぐ近くまで流れ出し、全島民が非難することになった溶岩流の後だ。

 

側に行ってその河のような溶岩の上に乗ってみると、つい先月位に流れ出た溶岩とも思えるくらい、ごつごつと荒々しい塊が夥しい。その近くには、黒い実が成った低木がたくさんある。Rさんに聞くと、それはハンの木と言うそうだ。黒い実はクリスマスリースで見かけるあれだ。この木の落葉が大島を代表する植物、アシタバの栄養の源になると、以前ネットに書いてあったのを思い出す。

その場所がある山の中腹からは大島全体の山の感じがつかめ、Rさんから大島全体の生態系について話を聞く。樹木や植物はRさんの専門の一つなので凄く詳しい。個人的には伊豆大島の南方熊楠と呼びたい位だ。

 

大島はカルデラ型をした三原山山系が島の中心にあり田圃はない。殆どが椿と山桜、そして椎等の原生林に覆われているらしい。土地は火山灰系で肥沃ではないそうだ。スコリアと呼ばれる火山放出物の一種の多孔質で黒っぽい小岩やその小さい粒が多い。(その後、島を廻った印象ではそれらが島全体を覆っているような感じだった)

そこから山を見上げる形で眺めると、少しぼう~とした落葉樹木が標高低い所から高い所まで万遍なく存在している。そして黒に近い緑の光沢のある葉の木も、もの凄くたくさんある。ぼうっとした樹木は大島桜。そして光る黒緑の葉は大島椿だと教えて頂く。その後、島を回ることになるのだが、島じゅう何処行っても椿の木はそこら中にあった。自分が住んでいる佐世保の山は、その殆どが杉、檜の植林の山、言わば人工の山だ。なので、これだけ広大な原生林を見るのは圧巻。山の風合いがとても美しく見えた。

大島桜は毎年春になると、標高の低い所からその桜が咲き始め、だんだん標高を上がっていくのだそうだ。想像するとかなり壮観な眺めだと思った。

 

着いたその日は島の北西部を主に案内して頂く。大島灯台や海沿いのドライブコース、サンセットパームライン、経営難らしい大島空港、地元の産直所、大島灯台等だ。最後に港のある元町近く、海のすぐ側というロケーションの地元住民ご愛用露天温泉、「浜の湯」へ行く。男女混浴なのだが水着着用(Rさんが用意)で広いのであまり気にならない。それに安い。外来者400円、地元人200円、当日はあいにく曇天だったが、その後も滞在中何度か訪れ、海に沈む夕日から冬の星空が眺められ、これ以上はないと言う解放的ロケーションを味わった。

(その2終わり、次回はいよいよ、御神火三原山登山へ!)

 

以下、画像クリックで拡大。スライドショーも選択出来ます。

本日も、ご訪問ありがとうございました。良い事がありますように…!

 

                         (その3へ)

 

 

 

 

コメント: 2
  • #2

    planetary-n (月曜日, 21 2月 2011 17:56)

    碧い海さん、コメント、まことにありがとうございます。

    そうですね〜。暮れの多忙な時期に!

自分は先の事も考えずに、なかば人生を降りているので、こういう事が出来たのですが、普通ちゃんとしっかりお勤めしておられる方々は、たとえそうしたくて も中々出来ないのが現実ですよね。

    また、冬に島へ行くなんて、馬鹿なことはあまりしないものでしょう(笑)。ですが、伊豆大島は
行って良かったです。島全体がパワフルなエネルギーに満ちて居る感じでした。戻って来て色々判ったのですが、成る程と思うことがたくさんありました。



    旅は今日贅沢な時間の使い方ですが、やはり良いですね。自分はこれまで、そう〜旅派ではなかったのですが、最近、目覚めた感があります。

    
この地球に滞在している時間もあっと言う間です。機会があったら旅に出ましょう。考え方次第で、そこの街角の、秘境としてのラーメン屋までも旅といえるかもしれません(笑)。『街角の煙草屋までの旅』という本も昔ありました。(吉行淳之介著) 一緒に小旅行でも計画しようか?

  • #1

    碧い海 (月曜日, 21 2月 2011 14:20)

    原生林 大島桜 露天風呂 溶岩 握手 わけのわからない奇声…
    新鮮な気持ちでしか感じ得ない喜んだ、はしゃいだ気持ちが幸せそうやね

    年末の忙しい、寒い時期に行った甲斐があったような気がする

    自分もどっかに旅したくなりました