76日間でした。

母、退院する。

110622(水)晴れ 梅雨の中休み、久し振りの晴れの日。4月初めに体調を壊し市内の総合病院に入院していた母が、ようやく退院の運びとなった。梅雨とはいえ晴れた日に退院出来て、車で母を連れて帰る自分としても、ひとまずほっとした。

見晴らしの良い病院の休憩室からは、佐世保港と、米軍基地、自衛隊領域が良く見えた。
見晴らしの良い病院の休憩室からは、佐世保港と、米軍基地、自衛隊領域が良く見えた。

急に熱が出て、病院へ行き主治医に見てもらう。肺炎と診断。持病を持ってる母には危険な状態ということで即入院。4月8日のことだった。一時期は重篤な状態もあった。病状が安定せず日毎に様子が違う。気を抜けない日が続き、ほぼ毎日病院へ通う76日間だった。世間はその間、地震と原発の話題一色だったように思う。(今でもそうだが)

 

病棟の入口。何度このゲートを行き来したことか。
病棟の入口。何度このゲートを行き来したことか。

母から頼まれた用事のたびに、病室から病棟を抜け、エレベーターで一階へ降り、ロビーを通る。そこから病院の外へ出るからだ。

 

病棟の休憩室や病院のロビーにあるに大きな液晶TVは、何時見ても被災地の映像を映し出していた。

 

一日何度もその液晶TVの前を足早に通りすぎる。その時ちらりと視野を横切る被災地や原発の映像。大いに気になりつつも、自分には目前の母のことの方を重視せざるを得ない。お米を作る大事な準備の時期でもあったのだが、正直それどころではなかった。(それで今年はお米プロジェクトを断念した)自分の中での重要度が、空港の反転フラップのようにパタパタと音を立てて入れ替わって行った。

 

絵本こそは書かないが、母はこの地域のターシャ・テューダーと呼びたいくらい、何よりも自然や花や野菜作りが好きな野の人だ。また、語り部でもあり当地の生き字引のような人でもある。そういう人を、狭いコンクリートの病室から解放させる事が出来て、ひとまず何よりだった。もちろんその分、側にいる方は大変になるのだが、それでもその方が良いに決まってる。

 

毎日ビックニュースが飛び込んで来る激変の世の中、自宅での母の介護の日々が静かに始まろうとしている。

 

本日もご訪問ありがとうございます。それでも良い事がありますように!

 

 

 

コメント: 7
  • #7

    Julian (月曜日, 23 7月 2012 15:48)

    Hi there! This post couldn�t be written much better! Reading through this article reminds me of my previous roommate! He always kept preaching about this. I most certainly will forward this post to him. Fairly certain he�ll have a good read. Thank you for sharing!

  • #6

    planetary-n (月曜日, 27 6月 2011 18:24)

    ウェーブさん、いつもありがとうございます。ひとまずは、良かったと思っています。

    ブログ、お褒めの言葉を頂きありがとうございます。そうなのです、アレの正式名は自分も知りませんでしたが、どうしても書きたくてネットで調べました。(笑)自分たちの世代くらいですと、昭和の人気TV番組『ザ・ベストテン』でおなじみでした。

    3.11以降は、中沢新一が、内田樹、他との対談本(『大津波と原発』/朝日新聞出版)で言ってるように、歴史がポキッと折れてしまったのでは?と思います。どんな人の反転フラップもパタパタと音をたてて、順位が変化して行ったことと想像します。期せずして「断捨離」関係の本が話題になるのも偶然ではないことでしょう。

  • #5

    planetary-n (月曜日, 27 6月 2011 17:57)

    Mr.Yさん、書き込みありがとうございます。仰せの通り、年寄りを抱えてると、ほんと気が抜けませんね。Mr.Yさんも、同じような立場かとお察しいたします。大変だと思いますが、どうぞ、無理なさらず、いきたいですね。地域情報は、あまり期待しなでね〜。気まぐれだったりしますので(笑)。梅雨時期は何かと、お体不調になりやすいかと思いますが、何とか乗り切られることをお祈りします。

  • #4

    ウェーブ (月曜日, 27 6月 2011 15:14)

    退院できてよかった。ひとまず安心というか一段落したでしょう。家庭での療養はそれなりに気を使うことが多いでしょう。ただ遠くから言葉でしかお見舞いできないのがなんとも心苦しいです。しかし、今回のブログはとてもいいですね。特に空港の発着時刻表示版(反転フラップということも初めて知りましたが)のたとえがすばらしい。われわれの内部では友人や関心事について絶えずフラップが反転し前後しています。そんなことを繰り返しつつ生きてゆくのでしょう。

  • #3

    Mr.Y (月曜日, 27 6月 2011 13:38)

    お久しぶりです。お母さん退院されたとの事、おめでとうございます。長い間、病院と自宅の往復大変でしたね。年寄りを抱えてると、ほんと気が抜けないよね。早く回復されてよかったです。またいつもの生活に戻って地域の情報発信源ブログ楽しみにしてます。

  • #2

    planetary-n (月曜日, 27 6月 2011 10:07)

    やぁ〜Tちゃん、書き込みありがとう。元気でやってますか〜。母への御気遣いまことにありがとうございます。

    今年は雨が多いので、草の延び具合は、半端なく凄いです。夏草生い繁る生家を見るお気持ちお察し致します。たまに来て、草でも刈ると良いかもですね。サニさんが時々来てくれてるだけでも有り難いですね。

    Tちゃんをはじめ、今回の母の入院に関しましては、実にたくさんの方からメールやお手紙、お葉書、或は贈物、あるいはお見舞いに来て頂きました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。(以順不動)

    rafikiさん、ウェーブさん、要平さん、kunioさん fumi-104さん、BLuenotenycさん、 setsukoさん、snowyさ ん、kokoさん、momoさん、Yukoさん、S.Matsuseさん Sumakoさん tsuyoshiさん、amberさん、hrhsさん、 Yq2344さん、birancyouさん、Naokoさん、tatsunariさん、BB-EITAさん、sayuさん、saniさん、Y.Yさん、そ してTちゃん、

    皆さん、どうもありがとうございました!
    皆さんに良い事がありますように!感謝!

                      ストレンジ・N

  • #1

    Tちゃん (月曜日, 27 6月 2011 00:26)

     退院、何はともあれよかったですね。4月か5月のブログに載っていた総合病院から見える佐世保港の風景写真と「母の用事で・・・」という書き込みがあったので、おばさんに何かあったのか・・・と心配していました。早くお元気になられるといいですね。
    先週、実家の様子を見に行きました。庭の梅の木も実を取る人が居ないので熟して落果していました。ビャーラカンネの枇杷の木も生い茂る草の中に実をつけていました。次に行けるのは8月、どこまで草が伸びているやら・・心配です。